ア ン ジ ー

 

Angie-アンジー

事故の前に、一度だけ会ったことがある。

生れて間もない頃で、すでに野良猫だった。

あんなにかわいい子猫をまだ見たことがない。目が大きくて人なつこい子猫。

ニ度目に会ったのは事故のとき。

車にはねとばされ、溝の中に転がっていた。

ひどい有り様だ。

頭が割れ、目がとびだし、アゴも喉も裂けている。

私に気がつくと、割れた喉から声をふりしぼってギャーギャーと助けを求めてきた。

その必死の形相には鬼気迫るものがあった。

動物病院に連れていくと、

「頭蓋骨が割れているし・・・まあムリでしょうねえ。」

と言われた。

だが翌日、病院から電話がかかる。

「奇跡です。」

子猫は生きのびた。

会いにいってみると、生きのびた子猫は、まるでジリスのような顔になっていた。

左目はオレンジ色に濁り、そして異様にアゴが細い。

「一生懸命、骨をさがしたんですけど、どうしても足りなくて」

と医者は言った。

それでもジリスのような顔の猫は、私を見てギャーギャーと喜んでくれた。

アンジーはきっと、あの最初の事故で死ぬ運命だったんだ。

だけど運命は変わってしまった。

私が変えてしまった・・・。


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