白黒猫のこと


その猫に、名前はない。

野良猫だからだ。

あじゃりの唯一の友達である。

白黒猫がやって来たのは、まだ寒い冬のことだった。

気がつくと、その子は家の庭にいた。

まるで自分の家にいるみたいに、くつろいでコックリコックリ居眠りしている。

「 ひとん家で何やってんだ、おまえ 」

声をかけると、とびあがって逃げていった。

次の日もまた来た。

今度は、うちのあじゃりも一緒だった。

ちょっと離れたところで何事か語りあっている。

よその猫がテリトリー内に侵入しているのに、あじゃりは怒る様子もない。

ひょっとしたら、あの子はメスかもしれない。

あじゃりの彼女かも!

仲良きことはうつくしきかな、と思いつつ放ってくことにする。

あじゃりと白黒猫は、日々、親交を深めていった。

ウミャオ、ウミャオ、と呼び声が聞こえてくると、あじゃりはいそいそと家を出る。

あじゃりの方が白黒を探しにいくこともあった。

2匹はよく、子猫みたいに追いかけっこをしながら庭じゅうを走りまわっていた。

だが、やがて気がついた。

「 あの白黒・・・オスだ!! 」

おお。

なんということか。

彼らは、男同士だったのだ。


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