とら、病院へいく(2)


そんなわけで、

とらは毎日、病院へ通っている。

馬にするみたいな注射をうち、家では、人間がのむみたいなカプセルの薬をのまされている。

「 検査をするので、オシッコ採ってきてくださいね 」 

とも言われたが、プライドの高いとらは、オシッコを人目にさらすなんてことはなかなか許してくれない。

ようやく採取に成功したのが病院通いから3日目だった。

便の検査もした。

結果は・・・。

腎臓以外にも、いろいろ、出た。

まず、寄生虫。

痩せる原因はこれかもしれない、と言われた。

「 ヘビかトカゲを食べて、うつったのでしょう 」

・・・ そんなもん食うな!と私は言いたい。

しかも、とらが狩人だったのはずいぶん昔の話だから、この寄生虫はかなり長年飼っているのだろう。

虫くだしをのませたら、その夜キシメンみたいなのが出てきた。

すごかった。

もう一つは、甲状腺のできもの。

これはびっくりした。

のどの横が飛び出しているのは知っていたが、軟骨だと思っていたのだ。

まったくひどい家族である。

できものは、かなりデカい。

研究所に血液を送って調べたところ、ホルモンには関係がないと言われた。

「 単なる腫瘍ですね 」

単なる、って・・・。

この大きさになると、薬では治せないと言われた。

切るしかない、と。

切る、ということは手術。ということは、点滴もするわけだ。

点滴のチューブで首を吊ったアンジーのことが脳裏に蘇ったのは、私だけではない。

それに、体がもつかどうか。

いや、精神的に耐えられるかどうか。

人間で言えば100歳のおばあちゃんである。

無理に辛い治療をする必要があるのかどうか。

とら本人は、虫が出てスッキリしたのか、すっかり元気になった。

食欲ももどり、毛なみもよくなった気がする。

「 腫瘍も腎臓も、なんてことないよ 」

って顔をしている。

ほんとはそんな筈ないんだけど。

このおばあちゃんが幸せな余生を送れるように、

私たちはどうしてあげればいいのかな。

カプセル薬をのませるために、婆猫と格闘をしながら考えるのだった。


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